●糖華様リクエスト、雲雀甘夢●









ねぇ、。こっちを向いて。僕に気づいて―


僕はいつもキミのことを見ているんだよ―



















「っ!?」




「ん?何?どうしたの?」








長いようで短い髪が勢い良く振り返った反動で大きく揺れた。

と呼ばれた少女は警戒心をいっそうに強め、

それをのんびりとそれでいてどこか落ち着いているように質問をするロングヘアーの友人。








「いま、何か良からぬ殺気が・・・」



「うわーまた?最近ずっと言ってない?」



「そうだっけ?」







そうだよーもう勘弁してよーと明るく返すロングの友人に

良いじゃないーなんかサスペンス気取りな風味なんだからーという少女の他愛無い会話が続く中、

少し離れたところには人影がゆれていたー
















こっちを向いてほしい。僕に気づいて












「!?」



「何?また?」







あいも変わらず何かの気配を感じ取っているに、友人はさすがに呆れていた。

今日は学校がない休日で、久しぶりに女二人で楽しくショッピング。

時折食い倒れもするサバイバル少女だけれども、今日は珍しくオニューの服をわいわい選び、

真っ赤なワンピースを買って店から出てきたところだというのに。






「はぁ・・・・」






ため息もつきたくなる。






「んー。これはもしかして・・・」



「もしかして・・?」







何かただならぬ嫌な予感を感じ取った友人をよそに、は何か真剣に悩んだ様子で

ある言葉を口に出し始めた









「私への挑戦状では!」



「は!?」







この子は何を言い出すのかと思えば。手にはバットを握り締めて、もはや戦闘態勢に移っているではないか。

一般の女子中学生が考えることではないこの言動を理解しきれないでいる友人は脳内が混乱した。








「だから、きっと私を日ごろ恨んでる連中が、この様に復讐するために後をつけてきてるんだよ!」



「あんた、いったい何やらかしたの?」







正直、冷や汗が止まらない友人。








「何って・・・そんな口に出すのもおぞましい。」



「普通の女子中学生が言う台詞がそれですか?え?私ってば間違ってる?」






フフフ、先手必勝ですよ親分。なんて奇妙なことを言い出したに、

もはや手も出すことができない友人。その道を歩いていた他の人々はみな、

本能的に道の隅を通りながら足早に去っていった。







「さぁ、出て来い!正々堂々と拳で語りあおうではないか!!!」



「ちょっとさん、言ってることとやってることが全然噛みあってませんよ」







どうでもいいからそのバットを手放してくれ。友人は心よりそう願った。










「あ〜?」


「なんだなんだ?」





が振り返った後ろには、これでもか!というぐらいの茶髪と金髪のいかにも不良!といったような男が二人立っていた。

どうやら言動からして、運悪く出くわした系だ。


まさか・・・焦る友人にさっぱりとした顔をしている




友人の考えていたことは現実となした。










「やいやいやい!この様に喧嘩を売るなんて良い度胸だ!かかってこいヤローども!」



「ぎゃ―――!!ちゃん、何言っちゃってるのー!?」







今、この現場でそんなお決まりの台詞言っちゃやだー!!!

しかも、もはや女子中学生の枠を外しかけてるよ!!!






「んだとテメー!やんのか譲ちゃん」



「おー良く見ると可愛い顔してんじゃねーか。たっぷり可愛がってやろーぜ?」






こちらもお決まりと言っていい台詞を吐いた。

あぁ、もうどうにでもなれ。友人はついに白旗を振った。



もはやが金属バットを持っていることなんて誰もスルーである。













「ちょっと待ちなよ」









「「「「!?」」」」





聞こえてきたのはハスキーボイス。

凄く綺麗な声だった。

振り返ると、少し癖っ毛があり、顔の整ったいわゆるカッコイイ少年がトンファー片手に立っていた。

そしてコツコツと規則正しい靴の音を響かせ此方に歩み寄ってくるではないか。





その少年を見たチンピラどもの顔色は徐々に青みを出す。

ところどころ、冷や汗さえも流れていた。






「群れてるの?噛み殺すよ?」




「「ヒィ!!!」」






うわーヤバイ!この人は並盛の頂点であり、我が校の最強最悪と言われる風紀委員長その人だ!

それを認識したチンピラどもはえも言わぬ速さで逃げていった。

友人はこの状況からどうやって抜け出そうかと考えるのに必死で隣に居た危険人物を止めることができなかった。








「噛み殺すって・・・あなた、歯でも丈夫なんですか?」




「「・・・・・・・・・」」







言ったー!!!この子言っちゃったよ―――!!


あまりにも彼女の言った言葉が想像を越えたものだったため、雲雀と友人は固まった。

死刑けっていだー!血祭りにあげられるー!友人はこの世の終わりを読み取った。

が、友人が予想もしていなかった結果がそこにはあった。






「丈夫・・なんじゃないかな」



「は!?」






この人、性転換でもしたのか!?それでも頭をぶつけたのか!?

力なく、どことなく恥ずかしそうに顔を赤らめて答えた委員長に驚きを隠せないで反応してしまった友人。

へぇー。きっとポリデントのおかげだなんだねーと軽く凄いことを言っている

なんなんだこれは!友人はもはや生きる勇気さえもなくしそうになっていた。






「ところで、あなた誰ですか?」



「「ワォ」」





友人と雲雀さんはハモった。

雲雀さんは顔を赤らめて恥ずかしそうに呟いた。








・・・・キミは僕のことを知らないかもしれないけれど、僕はキミをずっと見てきた」









この並盛で、その上並盛中生で雲雀さんを知らない人ってどんだけいるよ。

友人の突っ込みを無視して二人の世界に入っていた。








「え!?ということは貴方が私に戦いを挑んできたチャレンジャーですね!」






ワォ




この子ってばホントある意味凄いよ。








「チャレンジャー?」





雲雀はチャレンジャー・・・と少し考えてから彼なりの解釈を頭の中でしたてあげた。

あぁ、なるほど。恋のチャレンジャーってことだね。

それを何気なく読み取った友人は、と雲雀の今考えていることが見事なぐらい食い違っていることに気づいていた。








「さぁ、かかってきなさいどっからでも!」




「だから、いったい何者だよ



「じゃぁ行くよ?」





見事に三人の心はバラバラ状態。

もはや雲雀さんでさえもが金属バットを持っていることに突っ込まない。



不安でいっぱいの友人をよそに戦闘は開始された。




「はぁ!」



「っ・・・」



カキン



ガチン




「あ!」






雲雀はのバットを軽く吹っ飛ばした。

は弧を画き綺麗に落ちていくバットを見つめた。







「この勝負、僕の勝ちだね」






雲雀がそう言った時・・・


建設途中だった店の看板がいきなりの上に落ちてきた。




「きゃっ」




「!?」




が目を瞑った次の瞬間、

雲雀は凄い速さで看板を跳ね返し、を自分の胸に引き寄せていた。

目を開けたが見たものは、雲雀の間近の顔。





「好きだよ



「ほぇ?」





ちゅっ



唇に触れるだけのキス。



でも甘いキス





「もう、離さないからね?」








「////」







わぁ、これって一目ぼれだー


そんなと雲雀の二人だけの世界のアウトオブ眼中にいた友人は帰る支度をしていた。









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リクエスト夢なのについでにお題消化(ワォ)

おっかしいなー「雲雀さん夢小説で甘い」がリクエストだったのに、

いつの間にか「雲雀さんギャグ夢で甘い?」にはや代わり。(ヤメロ)

ギャグ入れOKだったもので、つい入れちゃいました。(入れすぎだろうに)

もう、甘さの加減が分からない。しかも、無駄に長くなったため、適当カット。(無理やり)

ちょっと友人語りっぽくなりつつもやり方変えてみた春未です。ハイ。なんか展開がベタでその上恥ずぃ。

すいませんリクエストいただいたのに!久しぶりの夢小説でもう何がなにやら(え!?)

こんなものでも宜しければ、ぜひ貰ってやってください。(土下座)糖華様。

今気づいたけれども、何かあるヒバの別バージョンの展開って感じですね。(ワォ、おせぇよ)


psこれでもギャグを抑えたつもりです(えぇ!?