013:いつもいっしょ





いつもいっしょ


どこでもいっしょ


どこまでもいっしょ







カーテンを開ければ、ほらいつものように




貴方がいる。




ん?






大きく息を吸って〜


吐いて〜









カーテンを一度閉めて〜


開けて〜







「ワォ」





幻覚じゃないよこれ。





「や。」





そこには間違いなく、貴方がいた。

窓の外で片手を上げてごく普通に挨拶をかましてくる雲雀さん。






ここ、2階ですよ。

そこ、ベランダですよ。





ちなみにココは我が家であって貴方様のアットホームじゃないですよ。







「ってえぇぇぇぇ!?雲雀さん何やってるんですかぁぁぁ!?」







私は力の限り叫んだ。

されど窓の外、防犯ガラス使用の我が家では外の音はあまり聞こえない・・はず。

ご近所の皆さんには迷惑をかけていない・・・・はず。



私は雲雀さんを見て、開けたくない窓を開ける。

だって、そんなに気迫凄かったら開けないと命ないっすよ。






ガララー







「雲雀さん。どうしたんですか?」





「僕は雲雀さんじゃないよ、愛と希望に満ち溢れた愛情たっぷり雲雀さんだよ。





ブッ




「大丈夫ですか雲雀さん。宇宙人とでも出会いました?」





火星人あたりに





「ううん、今日はそんな気分なんだ僕。」






いったいどんな気分になったらそんな言葉が雲雀さんのお口から発せられるんだ。

怖いよ。何か今日は凄く恐ろしいことが起きそうでこわいよ私。

世界とか軽くぶっ飛んじゃいそうだよ今日。

もうアレだよこれ。

火星人に出くわすどころか、入れ替わっちゃってるよコレ。






、僕にお茶も出してくれないの?」



「ワォ」




ちょっと、この人、勝手に我が家に入り込んで、私の部屋で勝手にくつろいでるんですけど。

おまわりさん。勇気を振り絞ってこの不法侵入者を連れてってください。




とりあえず世界の果てまで。







「それよか、なんで雲雀さんはココにいるんですか?」






しかもベランダに。

とりあえずお茶を入れて差し出す私。

それを受け取り、一口飲む雲雀さん。






「なんだか、僕たち夫婦みたいだよね」





いやいやいや、何言っちゃってるんですか。

質問の答えになってないどころか、

話がかみ合っていない。






「ってか、お茶入れたぐらいで夫婦に見えないですよ」




どんな夫婦だよオイ





「・・・そう・・・。じゃぁ恋人に見えない?」




ワォ




「いやいや、どこの時代にお茶を入れただけで恋人に見えるんですか。」





しかも、何だか渋い恋人だなオイ。

すっと雲雀さんを見ると、

なんだかムッとした顔になっていた。

やばいなー怒らせちゃったかな?






「じゃぁ、どうすれば恋人に見える?」




「とりあえず、両手いっぱいになるぐらいのバラの花持って、プレゼント持って、王子様の格好して、犬に跨って玄関から来てください。」





「・・・・・・」




「・・・・・・」






見詰め合う私と雲雀さん。

凄く真剣な顔の雲雀さん。

今にも笑い出しそうなのを堪えている私。








「・・・犬に?」



「犬に。」







「・・・・・・」





ガララ



無言で雲雀さんはまた窓から退場されました。

扱いやすいな〜

にしても、本当に来るだろうか。犬に跨って。


いや、あの人ならやる!






「もう少しだけこの平和な生活をエンジョイしとこう」





あの人がココに来たらまた凄いことになりそうだから。












「ブッ」






いつもいっしょ





どこでもいっしょ






どこまでもいっしょ







それでも貴方が愛しいから


少しだけワガママで意地悪な私を許してくださいな








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いやー。なんだろコレ。

雲雀甘夢を見たかった方、大変申し訳ございません。

皆様の期待を見事に裏切る自身で満ち溢れております。(マテヨ)

そして、短い夢で申し訳ないです。

なんだか甘くしようと思ったら毎回短くなります。話が続かない春未です。

とりあえず、甘くないのだけは確か。もうギャグっすねこれ